Merkle Tree
バイナリハッシュツリーとも呼ばれる。 大きなデータセットを効率的に要約・検証するために使用されるデータ構造。
なぜ Merkle Tree は重要なのか
Merkle Tree がなくてもブロックチェーン自体は作成可能。
Merkle Tree によって可能になること
- あるトランザクションがブロックに取り込まれているかを検証すること。
- ブロック全体をダウンロードしない、ライトなクライアント。
- スケーラビリティ
- SPV (後述)
Merkle Proof
Merkle Tree にあるトランザクションが取り込まれているかを検証するには……
- Merkle Root Hash
- Hash 01
- Hash 0: Tx 0
- Hash 1: Tx 1
- Hash 23
- Hash 2: Tx 2
- Hash 3: Tx 3
- Hash 01
たとえば Tx 3 がブロックに取り込まれていることを検証するには、 フルノードに対して、 Merkle Root Hash, Hash 01, Hash 2, Tx 3 を要求する。 Tx 3 よりハッシュの計算をはじめ、 最終的に Merkle Root Hash が計算できることを検証する。
SPV (Simplified Payment Verification)
ツリー全体をダウンロードせずに 特定のトランザクションがブロックに取り込まれているかを検証する方法。
Merkle Tree in Ethereum
イーサリアムのマークルツリーは3つある。 ブロックヘッダは3つのマークルツリーを持っており、 それらは下記の3種類のオブジェクトについてのものである。
- Transaction
- トランザクションがあるブロックに含まれているか検証可能。
- Receipt: トランザクションの結果を保持する
- あるイベントによる過去30日間の出力をチェックできる。
- State
- 現在の私のアカウントの残高を確認できる。
- あるアカウントが存在するか確認できる。
- あるコントラクトのトランザクションを実行した場合、 どのようなアウトプットになるか確認できる。
このようにして、 ビットコインではその時々のトランザクションが正しく含まれていることしかわからなかったが イーサリアムでは残高・状態を確認することも可能となった。