ITIL
ITIL
Information Technology Infrastructure Library
Overview
ITILは世界のITサービスの好事例集。 項目は多いがすべてをやらなくてよい。 一方でISOなどはルールやプロセスを100%定着させることを求める。
コアとなる5つのアプローチ
- サービスストラテジ
- 全体方針の確認と戦略策定
- ビジネスの目標・要求を明確にして、それを達成するための戦略(どんなサービス、どのサービスに力を入れる、予算)を作る
- サービスデザイン
- 業務設計
- どこまで力をかけてどんな品質で提供するのかレベルを決めて顧客と合意
- サービストランジション
- 運営準備
- 必要なもの・人を揃える
- トラブルなく運用できるように
- サービスオペレーション
- 運営・運営管理
- 日々のサービスを「サービスデザイン」で合意したレベルで運営する
- 問題・課題があれば解決して、顧客に特定のコストやリスクを負わせることなく価値を提供する
- 継続的サービス改善
- 測定・報告・改善
- サービスが顧客のための価値創出に役立っているかを常に測定して報告し、改善する。
各アプローチに含まれるプロセス
定義
特定の目的を達成するための一連の活動
特徴
- インプットとアプトプットがある
- 顧客などのステークホルダがいる
- 活動の状態が測定可能
サービスストラテジ
ビジョンと目標の確認
サービスの内容・方向性が会社の期待・方向性にあっているかを確認する。 業務とビジョン・目標がずれていた場合はサービスデザインで修正を図る
サービスポートフォリオ管理
現在および将来において必要な業務が揃っているかを俯瞰してコントロールする。
業務の過不足・無駄・無理を把握してコントロールする。 各業務への力加減を再検討。
- サービスカタログを作成
- サービスカタログに記載された各サービスに対する優先度や方向性(継続・強化・合理化・廃止)を明確にする。不足があればサービスの新設も検討する。
- 上記について顧客との合意をとる
次のような表を現在と将来についてそれぞれ作成する。
サービス | 優先度 |
---|---|
AAA | ◎ |
BBB | △ |
CCC | × 廃止 |
DDD | ◎ |
需要管理
需要を適切に把握し、業務の「やりもれ」「やりすぎ」が起こらないようにコントロールする。
- 過去の需要を把握する
- 未来のイベントを把握して需要を予測する
- 必要なリソースやキャパシティを見積もる
- キャパシティコントロールまたは需要のコントロールを策定して顧客に提案する
- キャパシティコントロールをする場合、キャパシティ管理のプロセスで増減の調整と準備を行う。
- キャパシティコントロール例
- サービスの量を増やす。
- 需要コントロール
- 割引チケットを配布して利用者の時間帯を分散させる
需要把握・予測の主なインプット
- 過去のサービス要求件数
- 要求実現で測定したデータを参照
- 過去のインシデント件数
- インシデント管理で測定したデータを参照
- 将来のサービス計画
- サービスポートフォリオ管理で把握
財務管理
需要に見合った適切な財務コントロールを行う
- サービスごとの費用内訳明確か明確にする
- 投資対効果を明確にする
- 課金の仕組みも取り入れてみる(サービス要求の多い部署からお金を取るなど)
- 月別の実績管理をする
このような管理により、各サービスを今後どうするか(継続・強化・合理化・廃止)の判断がしやすくなる。 このプロセスの結果は、サービスポートフォリオ管理のインプットになる。
- サービスごとの費用内訳明確か管理により
- サービスごとの費用内訳明確か